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THE HOT SARDINES

artist THE HOT SARDINES

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

温故知新のかっこよさと楽しさを音で示すバンド、ザ・ホット・サーディンズが2年半ぶりに来日中です。ステージ中央で、ストライド奏法を交えた粋なプレイを聴かせるのはリーダー/ピアニストのエヴァン "ビブス" パラッツォ。彼とヴォーカリストの"ミズ・エリザベス" ブージュロルのコンビネーションにはますます磨きがかかるばかりです。もちろんリゾネーター・ギター(ハワイアンやブルースでよく使われる楽器)とクラリネットの二刀流で存在感を示すロバート・パリンズ、ミュートをつけて吹くときのリリカルな感じとオープンで吹く時の熱気が快いコントラストを描くJ.ウォルター・ホークスも健在。リズム・セクションはなんと、ベースがクリス・ヴァン・フォースト・ヴァン・ビースト(ウォルター・スミス三世や、マリア・シュナイダー・オーケストラの一員だった故フランク・キンブローのアルバムに参加)、ドラムがロブ・ガルシア(ゴースト・トレイン・オーケストラのひとりとしてデヴィッド・バーンやクロノス・カルテット等と共演)。まさに全員一体となったエンタテインメント・ショウが行われています。

オープニングは「Love Potion No.9」。1959年にアメリカのドゥーワップ・グループ"コースタ―ズ"が歌い、60年代に英国のロック・グル―プ"サーチャーズ"が世界的に大ヒットさせたポップ・ソングですが、これを、まるで禁酒法時代のアメリカで演唱されたているかのようなアレンジで現在に蘇らせるのがザ・ホット・サーディンズの面白さです。続いては今から110年近く前、1918年に作曲された「After You've Gone」。エリザベスは、めったに歌われることのないヴァース(前唄)から丁寧に歌い、勢いよくコーラス(メインの唄部分)へとつなげていきます。演奏も佳境に入った頃、トーマス・ディアが舞台にあがり、華麗なタップダンスを披露します。軽やかな手足の動きはもちろん、ゆれる髪の毛、多彩な顔の表情と、全身で見せていくパフォーマンスが印象的です。

6月に発売予定のニュー・アルバムからは、ビリー・ホリデイのヴァージョンにインスパイアされたという「Lover, Come Back to Me」などを披露。エリザベスが母国フランスをテーマにしたオリジナル曲「Wake Up In Paris」も今後、グループの人気ナンバーとして定着しそうです。ザ・ホット・サーディンズの数ある強みのひとつであるフランス語ナンバーからは、今回、「La Vie En Rose」と「Petite Fleur」が選ばれました。前者(「バラ色の人生」)は1番をフランス語、2番を英語で歌唱。2番ではロバート・パリンズが、エリザベスの歌声に見事なヴォーカル・ハーモニーをつけました。オーラスは、アンドリュース・シスターズが1937年に大ヒットさせた「Bei Mir Bist Du Shein」(素敵なあなた)。途中、キャブ・キャロウェイやミルス・ブラザーズの歌でも知られる「Diga Diga Doo」のメロディを織り込みながらの、大スウィング大会となりました。

時代や国境を越えて愛されてきた曲を、改めてピックアップして今現在のオーディエンスに届けるザ・ホット・サーディンズ。絶好調の公演は7日まで続きます。
(原田 2026 5.6)

Photo by Yuka Yamaji


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【LIVE INFORMATION】

THE HOT SARDINES
2026 5.5 tue., 5.6 wed., 5.7 thu. ブルーノート東京
詳細はこちら

SET LIST

2026 5.5 TUE.
1st
1. I LOVE PARIS
2. JELLY ROLL
3. I CAN’T GIVE YOU ANYTHING BUT LOVE
4. A SPOONFUL OF SUGAR
5. DREAM A LITTLE DREAM
6. PENCIL FULL OF LEAD
7. COUCOU
8. YOUR FEET’S TOO BIG
9. DR. JAZZ
EC. BEI MIR BIST DU SCHOEN
 
2nd
1. LOVE POTION NO.9
2. AFTER YOU’VE GONE
3. COMES LOVE
4. LOVER COME BACK TO ME
5. WAKE UP IN PARIS
6. JELLY ROLL
7. LA VIE EN ROSE
8. PENCIL FULL OF LEAD
9. PETITE FLEUR
10. WHAT A LITTLE MOONLIGHT CAN DO
11. DR. JAZZ
EC. BEI MIR BIST DU SCHOEN

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